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蝶毒、すみれの蕾中心。 18禁乙女ゲーについての萌え吐き出しブログです。 ★ペルオペ追加しました
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…まじ誕を書こうとしていたのですが、ついCool-BのW兄絵を
見ているうちに妄想が盛り上がってしまってこうなりました。

ナンチャッテ吸血鬼ものです(えー!)いやあの、服とか夜霧がそれっぽくない…?みたいに考えたら!
で、W兄が出てくるとどうなるんだろう…っていう思考をこじらせた結果です。
本編巴里ENDにちょっと寄せた感じ、ですが本当に捏造妄想もいい所です。
しかも真島が可哀そうなことになってしまって私が泣きたい。どうしてなの…
今回は真島を使用人にしちゃいましたが、別話では清兄様として是非活躍して頂きたいものです。

+++

一応発展した脳内設定。
百合子さん: 吸血鬼の血をひいてるけど覚醒前。
お兄様  :  吸血鬼。たびたび発作に襲われて気の毒。
真島    : 百合子さんの従者。お世話係。実は(ry

<出てないけど一応設定>
斯波さん :  百合子にご執心。実はハンター。
秀雄   :  普通の人間。事情は知らないけど百合子を心配しているいい人。
藤田   :  野宮家の親戚なので少し血が入ってる。料理得意な執事。
鏡子様  :  吸血鬼。むしろサキュバス的な。つまみ食いしすぎてたびたび問題に。

そんなんでもいいわ、読んでやるわよっていう心優しいお嬢様は続きをどうぞ…



賑やかなホールを離れ、一人廊下へ忍び出る。
ようやく人の気配が遠のいたバルコニーまで辿り着き、少女は胸を撫で下ろした。
ほぼ毎晩開かれる煌びやかな夜会は、少女の歳の娘であれば誰もが憧れの対象であろうが、
少女はこれがどうにも不得手だった。
自分の恰好を改めて見下ろす。薄紅色のドレスに、これでもかとつけられたフリルと白いリボン。
ドレスは街でも有名な仕立て屋の手がけたもので、彼女の細い腰を引き立たせ、
髪に挿した薔薇の飾りは少女をとても魅惑的に見せていたが、彼女自身はすぐにでもむしり取って
しまいたくて仕様がなかった。
直ぐに愛の言葉を囁いてくる紳士たちにも、彼女に取り入ろうとする貴婦人たちにももういい加減
うんざりしていたのだ。可能であるならば今すぐにも此処から逃げ出してしまいたい。
だが彼女にはそう出来ない理由があるのだ。そう只一つの…

「百合子?」
カツンと音がして、慌てて百合子と呼ばれた少女は顔を上げた。
暗い廊下に融け込むように、いつの間にか一人の青年が目の前に立っていた。
その目に見つめられると、とうに見慣れている筈の百合子でさえも胸が騒いでしまう。
「ああ…こんな所にいたんだね。探したよ」
「お兄様……」
ふわりと両腕を広げる兄に抗えず、百合子は導かれるように足を進める。
「ようやく捕まえたよ…悪戯な僕の小鳥。どうしたの、ご婦人方に何かされたのかい?」
「いいえ、違うわ…ただ、少し風に当たりたくて」
「そう?それならいいけれど…」
整った顔を傾げた兄――瑞人はそっと妹の頬に指を滑らせる。
「何かあったのなら、直ぐに僕に言うんだよ?お前に何かあったら僕は、生きていられないのだから」
「もうお兄様ったら…そんな事ばかり」
「ふふ、本当の事だよ。ああ…もっとよく顔を見せて」
瑞人のひんやりとした手に両頬を包まれ、百合子の唇と瑞人のそれが重なる。
「お、お兄様!誰かに見られたら…」
「誰も来やしないよ、こんな所まで。それとも、お前はお兄様と口づけをしたくないの?」
「そういう訳じゃ…」
百合子が否と言う筈もないのを解っている癖に、瑞人は卑怯な問いかけをしてみせる。
「ずるいわ、もう……」
赤くなった頬を膨らませる愛しい妹を、くつくつと笑って瑞人は腕の中に閉じ込めた。
「ああ…お前の、香りがする…」
そのまま目を閉じてしまった瑞人を、しばらく百合子はさせるが侭にしていたが
やがて微かに乱れた息音を頭上に感じ取って仰ぎ見る。
「お兄様?」
良く良く見れば、瑞人の頬は蝋のように白くなっていた。
瞼は何かを耐えるかのようにきつく閉じられている。
軽く開いた口から漏れた息は苦しげに出入りを繰り返す。
「お兄様!」
その症状が意味する事に気づいた百合子が軽く腕を叩くと、瑞人がうっすらと目を開いて笑んだ。
「大丈夫だよ…そのうち、治まるから…」
「でもっ…」
「もう、お前からは今日三度ももらっているだろう…?それに、其の後は歯止めが利かなくなってしまう…」
瑞人の目線が百合子の胸元へと向いた。
百合子は思わず押さえるように胸の上へと片手をやる。
ドレスで隠れた身体のあちらこちらには、瑞人が刻み込んだ痕が残っている。
その事を思い出し、百合子は羞恥に顔を赤らめた。
だが目の前の苦しそうな瑞人を見ていると、此の侭見過ごすのは到底無理な話だった。
「お兄様…、私は平気だから……」
お願い、と百合子は腕を差し上げる。
瑞人はそれを黙って見つめていたが、やがて妹の熱意に負け、諦めたように舌をその柔らかい腕に滑らせた。
「んっ」
ぴくんと揺れる百合子の腰を深く抱き寄せ、そっと砂や石をはらった床に座らせる。
「百合子……ごめんね…」
「いいの、…お兄様………ッ!」
胸や腕では目立ってしまう。ドレスの裾を捲り上げ、露わになった白い大腿の内側に瑞人は唇を寄せ、
そして――その牙を突き立てた。
「んん…ッ!」
痛みにしなる百合子の身体をきつく抱きしめ、流れ込んでくるものを啜る。
百合の香りが強く立ち上り、瑞人の理性を奪っていく。
妹の血は瑞人にとって甘露のようだった。飢餓感が急速に満たされるのを感じる。
もっと、欲しい。もっと、もっとお前が…
「あっ、」
乱暴な手が、綺麗に結い上げられた百合子の髪を乱していく。
この髪は夜会前に従者の真島が結ってくれたものだった。元々は草木の管理をする庭師として
雇われたのだったが、今ではその器用さや誠実な人柄を買われ、百合子の身の回りの世話をして
くれている。お気に入りの髪型であったが、今は諦めた方が良さそうだった。

+++

「姫様!」
真島がバルコニーに着いた時にはもう、百合子はぐったりとした身体を瑞人の腕に預けていた。
その艶めかしさに思わず息を飲む。
「ああ、真島。助かったよ」
百合子の乱れたドレスとは対照的に、瑞人はすっかり衣服と髪を整えてにこやかに真島を出迎えた。
「向こうではそろそろご婦人方が騒いでいらっしゃるのかな」
「そのようです。殿様を探しに出ると息巻いていらっしゃる方も」
「やれやれ…それは困るな。仕様がない、戻るとしよう。…ああ、あの成金は今日はいないのだろうね?」
「ええ、今日は見かけておりません。ですが姫様への執着は並々ならぬものがありますから、
また近いうちにいらっしゃる可能性も…」
「悍ましい男だ。さっさと諦めればいいものを…!」
憎々しげに顔を歪めた瑞人は、そっと腕の中の少女を抱き直す。
百合子の顔を覗き込み微笑みかける瑞人を、真島は黙ってじっと見つめていた。
「殿様」
「ああ、今行くよ。…じゃあ真島、百合子を頼む」
「はい、お任せ下さい」

未練を残しつつ瑞人が去ると、真島は両腕で百合子を抱き上げた。
動いた拍子にふわりと百合の香りが漂い、真島にその甘さを届ける。
それは真島をたまらない気持ちにさせたが、真島はぐっとそれを胸の奥へと押し込めた。
やがて百合子の部屋まで到着し、寝台へと横たえる段になって、真島はようやく息をついた。
百合子の顔をじっと見つめる。少女はまだ気をやってしまっているようだった。
原因はこの乱れたドレスや、時折隙間から覗く鬱血の痕が嫌と言う程物語っている。
その様子を想像するだけで、真島の血は煮え滾ってしまいそうだった。
本当は誰にも渡したくなどない。愛して愛し抜いて自分だけの物にしてどこかに隠してしまいたかった。
だが出来ないのだ。それでは百合子の幸せには繋がらない。真島は唇を噛み締める。
自分に出来るのは、こうして傍で見守る事。百合子を支える事。それのみだ。
望みなどは抱くだけ無駄なのだ。そんな事は此れまでの生涯で嫌と言う程自覚している。
「…百合子」
小さく呟き、真島は手を伸ばした。滑らかな頬に触れ、その温かさを確かめる。
(愛している)
続きの言葉は声に出さずに、心の裡だけに留める。
ただ触れるぎりぎりの所まで唇を近づけ、その後の感触を夢想した。
百合子が目覚めるその時まで、ただじっと真島はその傍を動かなかった。




 

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18禁乙女ゲー初心者。
ただいま蝶毒、すみれ、平井さん、大石さん中毒です。
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蝶毒はお兄様、真島 すみれはハル、トウワ、ムツキ
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